流体工学の解説

「流体力学」の紹介
 
1.流体力学の解説
A.概略
・流体とは液体と気体の総称です。空気や水は機械や機械工学では大切な資源になります。そしてエネルギ変換の殆どが流体を介するので、その上手な利用を学びます。
・高校で学ぶ物理や数学の内容を流体に適用し、作用する力や運動を解析して、機械の性能向上に役立てていく学問分野です。
・最近注目される風力発電やマイクロ水車等の自然エネルギ利用も重要な課題です。
・関係する分野:流体工学、航空宇宙工学、乱流工学、環境工学、化学工学、交通工学
 
B.説明
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2.参考
A.流体力学の分野
・固体・液体・気体の内、気体と固体を合わせて「流体」と言います。流体の特徴は「形がない」「千変万化」なことにあります。空気や水などのように身の回りに多く存在し、我々人類は普段意識せずにその恩恵に浴しています。流体の現象やそこに働く力学を解明することと、その流体の流れの持つ力(エネルギ)の利用を考える、理学・工学に跨がる広範な学問分野です。中でも、乱流現象(乱流力学)は科学技術の最先端(「複雑系の科学」の重要なテーマ)として知られており、人類永遠の課題になります。なお、学問領域の名前は、水力学、水理学、流体工学、空気力学ともいいます。
・「流体機械」とは流体と機械との間でエネルギー授受を行う機械類の総称です。その代表は水力機械のポンプと水車、空気機械の送風機と風車です。その原理や新メカニズム、性能や機能向上についての学問分野です。中でも水を汲み上げるポンプは、産業では無くてはならない「産業の心臓」です。
・風(空気)や水という自然エネルギ(太陽のエネルギーを間接的に利用するので再生可能エネルギとも言います)を利用する技術は、近年のエネルギや電力事情から注目されています。こういった自然エネルギと機械とのエネルギ変換システムを司る専門分野です。
・つまり、「流体工学」とは、何れも流体力学を工学の場、特に流体機械、動力機械、エネルギ機械の分野での上手な利用を行う最先端分野であり、産業上大切な機械工学の一分野です。
 工場や石油プラントなどでは配管技術が重要な役割を果たします。いわば、産業の「血管」です。中でも化学工学の発展には流体力学の知識が不可欠です。流体が配管内を通るときには、配管内部の壁面と流体との間に流体の粘性による摩擦抵抗が発生します。この抗力は流体の流れを妨げ損失を与えるので、エネルギーの損失となります。このエネルギー損失のことを「管摩擦損失」といいます。配管内の流体に対する抵抗を抑えることは、エネルギ損失の低減の他、騒音対策や、配管の寿命延長にもなります。この様に、配管技術は勿論化学工学やプラント工学、空調衛生工学でも流体力学の知識が重要です。
・流体力学の一分野の「空気力学」は、空気の動きに伴う様々な作用や、空気中を運動する物体への影響を取り扱います。飛行機は、飛行機の翼が揚力(流れに対して垂直な方向に働く力)を生じさせて空を飛びます。このためには、流体の循環を形成する翼型の性能が大切です。その一方で、物体は流体からの抵抗、即ち抗力が作用しますが、この抗力は少なく、揚力が大きい大きい方が望まれます。この空力設計(流体力学に基づく設計)の究極の姿が「鳥人間コンテスト」であり「人力飛行機」です。
アグリエンジニアリングと流体力学:植物工場のように、農業と工業を結びつける技術が最近注目されています。耕運機などの農業機械がありますが、農作物を育てる際には、太陽や水、風の力が非常に重要になります。これまでの経験に頼る農業からプログラム化・バイオ工場化を進め、工場の製品のように、農作物の収穫量や商品価値を一定にする試みがなされています。この場合、水や空気の供給や温湿度管理では流体力学の知識が重要になります。中でも水の量を少なく、また均一に供給させるには、高度な配管技術が要求されます。
バイオミメティックスと流体力学:生物の動きを模倣して、それを機械に反映させる技術に注目されています。例えば、エアコンの室内機などに使われているシロッコファンなどは羽根1枚1枚は非常に小さいのですが、トンボの羽根をモチーフにしたファンを製作、静音性と風量の効率向上を目指しています。特に自然界の生物回りの流体の現象を解析する試みが注目されています。
生物と流体力学:イルカの尾びれと表皮しわを洗濯機の部品に応用して、水流を強化し、洗濯物をもみ洗いする力を向上させています。また、オリンピックで有名になった競泳用の水着の表面にサメ肌を模倣したリブレット(細かい溝)がつけられ、水による摩擦抵抗を減らし、競技において競泳速度の高速化を実現しています。このように、生物の動きを模倣することで、機械の小型軽量化・高効率化が実現させるなど、流体力学は生物の運動と密接に関係しています。
スポーツと流体力学:ゴルフや野球などの球技では、ボール回りの空気の流れで変化球を生じ、水泳やウインタースポーツでは、水や空気の抵抗を減らすことが、勝負を分けます。この様に、スポーツの世界では、空気や水という流体力学の知識を利用する事が大切になり、流体力学は身近なスポーツや科学で重要となる専門分野です。まさに我々は水と空気の中で生活しており、スポーツの発展には流体力学が大切です。
 
 
B.生活と流体力学
 
1.物流
 トラック輸送、鉄道輸送、フェリーなど
2.交通・輸送
 飛行機・自動車・鉄道・船舶など
3.住まい・都市・空調衛生
 エアコン、ヒートポンプなど
4.発電・エネルギー
 火力発電、水力発電、風力発電、タービンなど
5.工場・生産・プラント
 ポンプ、配管、送風機など
6.地球環境
 再生可能エネルギー、バイオマス発電など
7.スポーツ・生物
 サメ肌水着、スキージャンプ競技、陸上競技